◆チャレンジャー◆
REALTIME ACTION ADOVENTURE!



1985年10月15日発売   発売元:ハドソン   ジャンル:ACT
価格:4900円   おすすめ度:2.5(トラップが多すぎる…)


相愛の2人だったが、突如マリアを狙っていたドン・ワルドラドに連れ去られてしまう。 チャレンジャーは、ワルドラドの乗る列車の中で、悪漢達を果敢に打ち倒していき、先頭車両内でマリアとワルドラドと対面する。

しかし、ワルドラドの圧倒的な強さの前に、チャレンジャーは敗れ去った上にワルドラドを逃がしてしまう。 彼の行く先を捜索するチャレンジャーであったが、その末にたどり着いたところはワルドラドの本拠地であるワルドラド島であった…。

ハドソンがFC黎明期に発売したゲームの1つであり、そのためなのかそこそこに知名度が高い。 2004年12月には、GBAの『ハドソンコレクション』シリーズ第3弾として、『迷宮組曲』とカップリングされて再び登場しているので、 若い人でも知っているかと思うし、当時の人達には『FC三大探検家(冒険家)ゲーム』という形で知っているだろう。

『スペランカー』の項で述べたが、FC三大探検家ゲームとは『スペランカー』と『アトランチスの謎』、 この2つに『チャレンジャー』を加えた総称であり、3本とも主人公が弱いという共通点を持っている。

ただ、このゲームは主人公が弱いことについては、発売当時あまり話題にならなかった。 チャレンジャー以上に、スペランカーやアトランチスの主人公の弱さがゲーム内容以上に目立ってて、チャレンジャーの職業が冒険家ということもあり、 いつのまにかFC三大探検家ゲームに組み込まれていった感が強い(冒険家も探検家も、一応性質は同じ)。

ちなみに、このゲームをプレイした人の間では、ストーリー設定が『インディジョーンズ』オマージュではないかという指摘がある。

確かに、この映画の主人公インディアナ=ジョーンズの職業は考古学者であり、冒険家としての役割を演じていることから、多少なりとチャレンジャーとはつながりがある。 その一方、箱絵を見るにチャレンジャーがインディアナ=ジョーンズというより『スターウォーズ』のハン=ソロに似ており、 マリア王女もレイア姫ドン・ワルドラドに至ってはダースベイダー(個人的には『X−MEN』のマグニードに似ているが…)に似ていることから、 スターウォーズのエッセンス(悪者から姫を助ける)も加えたのではないかという意見もわずかながらではある。

インディジョーンズもスターウォーズも、映画の最新シリーズ公開からチャレンジャー発売後までまだそんなに経っていなかったし、 人気や話題もそれほど落ち着いていなかったため、ファンにとってチャレンジャーの発売は少々タイムリーな形で登場となった。


ゲームシステムは、4シーンのステージ構成で成り立っており、列車ステージがシーン1でワルドラド島フィールドがシーン2、 シーン3はワルドラド島の洞窟エリア、シーン4はピラミッド内でワルドラドとの最終決戦となっている。

アクションシステムについては最初の列車のシーンとワルドラド島に点在する洞窟、最後のワルドラドとの決戦がサイドビューの横スクロールアクションで、 ワルドラド島の場合はトップビューの全方向移動アクションである。

主人公は、当時としては珍しいライフゲージ制となっており、ナイフ投げを武器としている。 この能力を生かし、ワルドラド島のピラミッドに潜むドン・ワルドラドを倒さなければならないのだが、そのためにはキーワードを3つ集めなければならない。

その3つは、鍵・指輪・宝冠のことで洞窟内で手に入るものの、1つでも欠けた状態ではワルドラドのいるピラミッドに入ることができない。 また、タイトル画面にゲージらしきものが存在するが、これは難易度設定をあらわしており、最大16までの難易度を設定することができる。 当時のゲーム難易度は、せいぜい2段階までだったことを考えると、かなり細かな配慮ではあったし、現在のゲームの難易度を比べてもこのゲームの難易度設定はかなり特殊だった。

それと、まっとうくじらとパワーソード、パワージュエルといったパワーアップアイテムが登場する。 この中で一番有名なのが、マッコウクジラをパロディにしたまっとうくじらだろう。

キャラクターでもあるまっとうくじらは、シーン2の最初の洞窟付近で会うことができ、プレイヤーの体力を回復してくれる(倒すことも可能で、その場合は800前後の得点が入る)。 このシーンにも、空中に浮かぶタイプ(倒すと残り人数を増やしてくれる)やシーン1にもステージの間だけ無敵にしてくれるタイプもいるのだが、どちらも特殊な方法でないと出すことができない。 パワーソードとパワージュエルは、攻撃を外さずに敵を4連続で倒すとどちらかが登場し、それをナイフで当てることによりアイテムの効果が出る。


パワーソードは、一定時間移動速度が上がり普通は倒せない敵も倒すことができる。パワージュエルは、画面内の敵を全滅できる。 どちらも、ワルドラド島に点在する洞窟の入口を守るモンスターを倒すのに必須のアイテムではあるが(洞窟の入口を守っているモンスターは、ナイフ投げが一切通じない)、 別に倒さなくても洞窟に入ることはできる。

もっとも、敵を倒さなくとも洞窟に入ることができるが、その場合狭いところで敵をかわさなければならない(場合によっては大きなダメージを食らうこともある)。 それでも、慣れてしまえばそれほどたいしたことはないため、上級者になると2つのアイテムを使用することはほとんどない。 このため、まっとうくじらよりも知名度はかなり低い(存在自体知らないプレイヤーもいたという)。

さて、このゲームに対する評価だが、前評判はコロコロコミックといった小学館係雑誌が、主にハドソン系ゲームを強力にプッシュしていたため高かったが、ゲームそのものについての評価は前評判と比べて高くはなかった。 その理由について、同時期に発売された『スーパーマリオブラザーズ』の大ヒットしたこともその1つだろうが、何よりもこのゲーム自体の難易度が高すぎたことが大きい。

ライフ制とはいえ、敵にぶつかるとあれよあれよとガリガリに削られていく。 また、シーン3と4でジャンプしたとき、ジャンプした足場と着地する足場の差が大きいと1ミス、シーン1でも列車の車両の間に落ちてもミスとなる。 またシーン2において、ミステリーゾーン・アリ地獄・偽ピラミッドといったトラップも存在しており、どれも引っかかるとミスとなる。

偽ピラミッド以外、パワーソードで脱出できるものの手に入れる機会があまりなく、トラップに入ってしまったら最後1ミスは覚悟しなければならなくなったプレイヤーが後を絶たなかった。 さらに、100画面というシーン2のマップは当時としては膨大だったものの、その度が過ぎたこともあって、迷いに迷った挙句タイムリミットになったり敵にやられたりする事態もあった。 その制限時間はたった99秒しかなく、洞窟に入れば元の時間に戻せるとはいえ、制限時間自体が短すぎるため、時間が戻ったという感覚が沸かない。


この他に、ワルドラドを倒す方法としても、ただ単に4発ナイフをぶつければ倒せるわけではなく、4回連続でぶつけなければならず、 その途中で別のところに移動すると、せっかくワルドラドにナイフをぶつけたカウントが0になってしまう。

とどめは、難易度設定における不明確さ。これは、ゲージの量が多ければ敵の数や攻撃の激しさが多く、少なければその逆となる。 そこまではいいのだが、難易度を最低にするとパワーソードとパワージュエルが手に入りにくくなり(敵が少なくなるので出現しにくい)、洞窟の入口を守る敵の対処が困難になってくる。 上級者になれば、敵をひょいひょいかわすだけでいいのだが、大抵のプレイヤーはそれが難しいので、うっかり難易度を最低にしようものなら、間違いなく痛い目を見ただろう。

では、適度な難易度というと、じつはタイトル画面に表示されている難易度なのである。 これらの要素もあって、いつしか『スペランカー』と『アトランチスの謎』と共に、FC三大探検家ゲームに組み込まれていったが、2本のゲームと違ってチャレンジャーは別に虚弱ではなく、 一般のゲームの主人公と同じ丈夫な体の持ち主だった。

それが、不条理なトラップなどといった難易度の高さによって、主人公が虚弱と勘違いするプレイヤーが増えたため、 難易度の高さに関係なく虚弱なスペランカーとアトランチスと同じ扱いになったのではないだろうか。


しかし、決して評価か低いわけではなく、シーンごとにサイドビューとトップビューに劇的に変化する様は、当時としては非常に画期的だった。 タイトル画面の前に出る『REALTIME ACTION ADOVENTURE!』が、それを象徴している。

それに加えて、シーン1における列車での戦いは、列車と背景が別々にスクロールしており、この手のアクションは昔も今もかなり新鮮である。 ただ、先ほどにも書いたが難易度の高さがネックとなってしまったため、さすがにヒットしたとまではいえなかったものの、 GBAのハドソンコレクションシリーズに再登場したりしたこともあって、昔のプレイヤーにとって忘れられないゲームとなったといえるだろう。 また、まっとうくじらは他のハドソンゲームにもたびたび出演している(主に『迷宮組曲』など)。

昔、小学館系雑誌の愛読者だった私は、数々のハドソンゲームをプレイしてきたがチャレンジャーも例外ではなく、これも結構やりこんだ。 当時結構ゲームの腕が下手だった私は、難易度を最低にしてプレイしていたが、ワルドラド島の半分程度しか進めなかった。

火の玉の敵(タマという名前)がうようよいるエリアで、いつもミスしてゲームオーバーになっており、洞窟の入口を守る敵(カラという名前)よりもこいつらが一番手ごわかった。 それからして、ようやく後半部分に入ったものの、数々のトラップに引っかかってしまい、私にとってタマエリアに続いてもう1つの鬼門となった。


パワーソードやパワージュエルは、偶然にも出た感が強いため、取ったという記憶があまりない。 それに、洞窟に入る際にカラを自分の近くまでひきつけてからにしていたため、これに関してはあまり手ごわくはなかった。 タマエリアで、敵をよけることに慣れていたのだろうか。

そして、ようやくワルドラドの対決を迎えたのだが、これも結構あっさりと倒すことができた。 雑誌では、ワルドラドの倒し方が載っていたのだが、文字をあまり読まなかった私はこの事実を知って思わず関心した。

現在、久々にプレイして自分の腕を確かめてみた。

最初は、予想通り簡単に進むことができたが、昔の鬼門の1つであったタマエリアであえなくゲームオーバーとなってしまった。 もっとも、何度もプレイしてワルドラドを倒すまでに勘を取り戻せたのだが、タマエリアでやられるこも予定通りだったのだろうか…。


本日のまとめ


ESCAPE!

(07/1/19修正)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年3月31日
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