◆ゼビウス◆
第一次FCブーム到来!!



(ROM版)発売日:1984年11月8日   発売元:ナムコ   ジャンル:STG
値段:4900円   おすすめ度:4(FCブームを担った作品なので…)

(Disk版:片面)発売日:1988年4月8日   発売元:ナムコ
値段:500円(書き換え専用)


1983年1月29日、AC業界に衝撃をもたらすゲームが登場した。その名は『ゼビウス』。 ACの老舗のナムコが出したこのゲームは、当時としては他のゲームよりもはるかに凌駕していた。 ストーリーはもちろんのこと、キャラクターやグラフィック、音楽等…。

ACに登場するやいなや、爆発的な人気が出て、このゲームの音楽を手がけた元YMOの細野晴臣氏の出したレコード『スーパーゼビウス(1984年発売。 ACやFC版とは関係ない)』は、オリコンチャート初登場で19位という異例のヒットとなった。

またゲーム同人誌(イラストではなく、主に攻略関係の同人誌と考えればいい)の発展のきっかけも作り出し、 『ゼビウス 1000万点への解法』は売り上げが1万部以上を突破した事実は、あまりにも有名である。

こうして色々と話題になったゼビウスだが、FC版に移植される情報は、瞬く間に日本上に知れ渡るようになる。 『ギャラクシアン』や『パックマン』がFCに移植されたのにもかかわらず、それでもゼビウスを家でプレイしたいというユーザーの率直な気持ちを表したともいえよう。 その反面、ゼビウス以前に発売されたゲームが、当時はあまり評価されなかったのが悔やまれるのだが…。


プレイ方法は、十字キーで操作してBボタンがボムでAボタンがショットの縦STGだが、ゼビウスの世界ではショットやボムとは言わず、『ザッパー』、『ブラスター』と呼ぶのである。 これは『ゼビ語』といって、ゼビウスの世界の言葉なのだが、キャラクターの名前などもゼビ語で呼ばれている。 この言葉を作ったのは、このゲームを制作した遠藤雅伸氏で、遠藤氏はこの他にも小説『ファーウドラウトサーガ(昨年復刊)』においてもゼビウスの世界を広げている。

そのキャラクターであるが、自機であるソルバルウはもちろん、ザコ敵のトーロイドーや大型固定砲台のガルデローダ、空飛ぶ板バキュラ等、グラフィックはもちろんネーミングもなかなかにユニークである。 攻撃方法も実にユニークで、トーロイドはくるくる回転しながら逃げていき(後半では小生意気にも反撃してくる)、ガルデローダは画面いっぱいにこれでもかというくらい弾を飛ばしてくる。

そんな中でもゼビウスの大ボス的存在であるアンドアジェネシスは、他の敵と比べても大きさや攻撃がすさまじかった。 しかもソルバルウと共に箱絵に出ているあたり、威厳も並々ならぬものがある。


そういった色々な面白さもあいまって、FC版の売り上げは実に約127万本に達するヒットゲームとなり、第一次FCブームを作り出すきっかけになった。 FC版のほうは、AC版にわずかに手を加えただけで、ほぼAC版と比べてももなんら変わらない出来であった。 もっともゼビウスの世界を象徴とするナスカの地上絵は、容量の都合上削除されてしまったのだが、面白さは全く変わっていなかった。

しかし、その面白さが大きければ大きいほど、都市伝説(平たくいえばデマのこと)が多くなるというジンクスは誰もが知っている。 ゼビウスについても同じことで、その主な都市伝説を下に記すと…、

・ギャラクシアンに出てくる敵が登場する

・敵機2000機襲来

・ナスカの地上絵があったところの左側に、7万点の隠しポイントがある

・エリア16後におけるゼビウス星ステージ

・バキュラに256発ザッパーをぶち込むと倒せる

特にバキュラ破壊説は、多くのプレイヤーが騙されたようで、後に製作者の遠藤雅伸氏が某巨大掲示板で、『バキュラは壊せない』と明言するまで、 この都市伝説は尾を引くことになるのだが、現実的に考えれば、バキュラにザッパーを256発を当てることはまず不可能である(よくて5〜60発が限度か)。

後にその都市伝説を利用してか、後の『スーパーゼビウス ガンプの謎』では、バキュラを一撃で破壊できるスーパーザッパーが追加された。 この武器の登場が、バキュラを壊せる都市伝説の尾を長引かせたのではないだろうか。 既にACでは、バキュラ破壊説がデマになっているにもかかわらず…だ。

なお補足として、コナミの『極上パロディウス』では、この都市伝説をパロディにしているステージがあることを付け加えておく。


ゼビウスの面白さは他にもあり、特に隠しキャラとカウンターストップ(以下カンスト)の2つは、ゼビウスの世界設定以上に、ゼビウスの面白さを象徴するものであった。 まずは隠しキャラの方だが、ゼビウスは隠しキャラの元祖的ゲームでもあった。

その隠しキャラは、ソルとスペシャルフラッグである。 どれも特定のところにブラスターを落とせば出てくることから、『隠しキャラ』という言葉が出てきたのもこの作品からである。 ソルは、得点を稼ぐのに重要な役割を果たしていて、姿を現すと2000点、破壊してさらに2000点獲得できる。


スペシャルフラッグは、取ると1UPできる。 スペシャルフラッグは、同じナムコ作品で80年登場の『ラリーX』のアイテムであるスペシャルフラッグ(ラリーXの場合は1UPしない)から流用したものである。

次にカンストの方だが、当時(今でもそうだが)カンストはプレイヤーにとって、いわば勲章みたいなものであった。 ゼビウスのカウンターストップは1000万点。当時としてはかなり高いハードルであった。

その主な理由は、下に記述してあるとおり…。

・敵の攻撃が激しくなる

・店長の目が気になる

・お尻が痛くなる

・野次馬が気になる(というかウザい)

・トイレに行きたくなる

・おなかが空く

最初の方はともかくとして、残りの方は合わせてみれば、時間との戦いであったということでもある。 それを乗り越えてのカンストを達成した人は、ほんのわずかであった。


しかしFC版の場合は、カンストの難易度を大幅に下がることになる。 理由は、無敵技とFC版あっての性能であった。 前者はともかくとして後者の方だが、このことはゲーセンにおけるカンストの弊害を一切なくすことに成功した。

家でやれば、もう店長や野次馬の目を気にすることもないし、トイレに行きたいときやおなかが空いたときには、スタートボタンを押してポーズをかければいい。

これで心おぎなく16エリア到達やカンストを狙えるかと思いきや、FC版における新たなる敵が登場した。それは時間と親の目である。
時間はどうしようもないとして、親の目の方は、店長の目に変わったようなものか。

しかも子供の将来を案じているので、FC版でのカンストを狙う最大の障害ともいえるだろう。 また、時間に余裕が出ている社会人や大学生なら無難に狙えるのかと思えば、そう簡単にことは進まない。

カンスト達成には平均8時間かかり、最低でも6時間はかかる。もちろん、プレイによる疲労は溜まってくる。 結局FC版でも、カンストを達成した人の数は、少なかったのではないだろうか。もちろんAC版よりは多くいたのかもしれないが。

いずれにせよAC版とFC版のカンストはどちらも勲章であったに違いないだろう。 ただしFC版の場合は、カンストである1000万点を突破してもまだ続くのだが…。


私がゼビウスをプレイしたのは、FC本体を買って間もない頃。 うちのいとこにもらってプレイしたが、最初のアンドアジェネシスのところでゲームオーバーとなった。 その後無敵技で再度プレイしたが、疲れもあって100万点突破後にリタイアした。

それから今までゼビウスをプレイしておらず、レビューするにあたって久しぶりにプレイすることになった。 今回は時間が子供のときよりもかなり余っているので、16エリア制覇を目指すことにした。

しかしプレイ途中、ゲーム雑誌でカンストのことが載っていたので、急遽目標をカンストである1000万点に変更することにした。 時間が余ってるとはいえ、仕事などで思ったより時間が取れなかったので、プレイ時間は約10時間になってしまった。

しかもぶっ通しではなく休憩や息抜きなども挟んだため、かかった日数は6日間にもおよんだ。 故にやっとカンスト達成したときは、ほっとしたと同時にしばらくはゼビウスはやらないという気持ちでいっぱいだった。 ちなみにカンスト達成は、無敵技を使用してのことだった。

どうでもいいのだが、トーロイドにしてもアンドアジェネシスにしても、意外と1発でやられるとは(バキュラは別)…。



本日のまとめ



これが私の勲章です

(06/3/2レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月14日
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