Dr.マリオについてのページを書こう、もしくは動画でも作ろうかな、と思ったのが数日前で、 もしかしてこれがめちゃめちゃ有名な話だったらイカンな、とサイト内話題にさせてもらったことが 何度かある「ゲームカタログ」様のDr.マリオのページを見に行ってみました。

話そうとしていることは特に書かれていなかったので、じゃあもうちょい知名度を上げるために 話すってことはアリなのかなと思ったんだが、ページの最後にどうにも気になる一文がありました。 Dr.マリオのテレビCMについての話のようなのだが…。

本作のCMはウィルスのコスプレをした女性たちがシンクロナイズドスイミング風にプールの中で踊るという、なんとも奇抜なもの。

…と、いうもの。なんだそれは。あんまゲームのCMって知らないけど、 どうしてそうなるんだ?それでいいのか?それが最善の一手なのか…!? いや、映像を文字で表現するのは難しいもの。映像を見ればゲームの宣伝としてこの上なく的確なものなんだろうが… さらに、最後の最後にとても気になる一文が。

マリオが放り投げたカプセルでウィルスの一匹が消えてしまうシーンで、ゲーム画面中のウィルスがアップで映し出されるが、 この時のドットのデザインは、ゲーム中のモノとも、後年に発見されたプロトタイプバージョンにおけるものとも異なるものになっている(形はゲーム版に近い)。

なにっ。

そうか、テレビCMというのは盲点だった…!今まで、発売前のチラシやゲーム雑誌に掲載されているゲーム画面や 試遊台で確認できたゲーム内容など話題にしてきたことはあったが、CMなんて開発中のゲーム画面の宝庫なんじゃないか…!?

よし、それではそのCMというのを見てみよう…!!


…なんだこれ。(率直な意見)

Dr.マリオの面白さと素晴らしさを短時間で伝えなければならないわけで… なぜこんなにたくさんの綺麗なお姉さんたちに出演してもらって、 プールの中で滅菌するシーンをなんともコミカルにシュールに作ったんだ…マーケティングの世界は奥深い…!!

…って、イカン、初心を忘れてはいけません。 CMの中に出てくるウィルスのドット絵が、実際のゲームともプロトタイプのものとも違う、というのを確認するんだ。 えーと、そのシーンというのは…これか。


赤・青・黄のウィルスがアニメーションしており、赤のウィルスが赤のカプセルによって消滅している。 確かに、実際のゲームのウィルスのドット絵とは違う…!目の部分が黒く抜かれている、青のウィルスが怖ええぇ…!!

赤のウィルスのデザインは歯並びや顔の下半分が膨れ気味というところはそのままだけど目がちょっと実際のDr.マリオより狂暴そう。 黄色のウィルスはプロトタイプのデザインではなく実際のゲームのものになっている、青も顔は怖いけど形状は同じ。

だが、やはりこれらのドット絵は実際のゲームとも、プロトタイプとも違うし没データにすらこんな画像はありません。 ということは、これはプロトタイプと実際のゲームの間の頃のゲーム内で使われていたドット絵ということなのか…?

……いやー……。

そのCMのドット絵を見た時に思った。みんなも思ったことだろう。 実際のゲームで使われるにしてはでかすぎじゃね?と…。

数えやすいように拡大してみました。 やっぱ青が怖いですが、恐怖に耐えながらドット数を数えてみると、横幅が20ドットぐらいはあります。

参考までに、これがプレイ画面に表示される消すべきウィルスたち。 余白を除き7ドットしかありません。あのビンの中には 20ドットもあるウィルスなど置けないのです。

しかしCMではその怖い顔の…というか20ドットウィルスが2コマでアニメーションしており、 赤のウィルスと赤のカプセルは消えるアニメーションをしています。 半分残った黄色のカプセルが落下するアニメーションまであります。

…そういえば、FC版Dr.マリオの没データの中に大きなカプセルの画像がありました。 もしかして、CMに使われた画像が実際のゲームに残っていたということか…!? と思って見比べてみたけど没画像よりCMの方がはるかにデカかった。別物のようです。

20ドットウィルスが消えるシーンを何度も何度も何度も見ているうちに、何となく違和感が。 黄色のウィルスの口や青のウィルスの足部分に、1ドット未満の線が使われている気がします。 赤のウィルスの色は暗いので不明瞭ですが、カプセルにも1ドット未満の線があるように見えます。

さらに、カプセルが設置されたときに微妙に沈み込んでから置かれている、というアニメーションもしている。 なんだか妙にそこがなめらかだ。さらに、黄色のカプセルが落ちていくアニメーションは実際のゲームより早い。

もしかしてこれ…CM用の絵なんじゃないだろうか?

いやそりゃそうなんだけどそうじゃなくて、これは「実際のゲームで使われていたドット絵」や 「ゲームのために作られたドット絵」ではなく、 このCMを作るための「ドット絵風のイラスト」であり、だからアニメーションもゲームみをあまり感じない なめらかさがあり、ドット単位ではない表現があるんじゃないだろうか。

そのサイズのキャラを使ってゲームをプレイさせるのはファミコンでは不可能。 サンリオカーニバル並みのコマのデカさのゲームだったとするならばわかるが、 その20ドットウィルスのシーンの後に普通のゲーム画面も流れるし…。

もしくは20ドットという巨大さと よく見ると足があることから、 実際のゲームの左下の虫メガネから見えるウィルスの絵だったとも考えられなくも ないかもしれないが…やっぱ黒背景前提みたいなドット絵だし…。

ウィルスが消えるシーンを、数匹の7ドットウィルスをアップにしてテレビ画面いっぱいに 表示させようとするとカクカクすぎて何が何だか分からないことになってしまうため CM用に大きなドット絵を作ったんじゃないだろうか…?

本格的に、過去最高に勝手なこのサイトだけの見解です。お気を付け下さい。 だから没データにすら入ってないし、プロトタイプのデザインとも違うんじゃないだろうか…。

ゲームカタログ様の表記に何も間違いはありません。実際のゲーム画面ともプロトタイプとも 違うドット絵がCMで表示されているのは確かです。そこに何もおかしなところはないです。 そして、いつかゲームCMに使われていた画像が没データとして残っているゲームを見つける時が来るかもしれない…という、 新しい希望が生まれたのであった。希望??

蛇足のターン。

…初めてDr.マリオのCMを見たわけですが、わざわざ「シンクロナイズドスイミング」という題材になっているのは実は納得しました。 ゲーム内でも説明書でも「新種のウィルスが発見された」としか言及されていないし ウィルスが入っている「ビンの中の状態」については見た目以外の情報が特にありませんでした。

だが、当時普通にプレイしていた時に「ビンの淵の部分はどうなっているんだろう?」と割と思っていました。 そこにカプセルが達するとゲームオーバーになるラインにはビンの枠線を構成している線と同じ画像が 使われていて、横に線が引かれているためです。

月日は流れ、スマホゲームである ドクターマリオワールド(現在は配信終了しているらしい…)を プレイしたときに、一つのことを思いました。「ウィルスは水の中にいるんだ」…と。ドクターマリオワールドでは少なくともそのような表現がありました。

そして極めつけにその謎のテレビCM。わざわざ「シンクロナイズドスイミング」、つまり「水の中」で行うものが題材になっている。 つまりDr.マリオのゲーム画面の瓶は液体で満たされており、その設定だからこそ水泳がCMでの演出で使われている。 だからこそもしかしたらビンの中でウィルスは不規則に浮遊しているのかもしれないし、ビンの淵にある横線は「水面」を 表しているのではないだろうか…!という結論に至ることができたのでした。

じゃないとウィルスは歩けるぐらいしっかりした重さがある存在なんだから、ビンの底にたまらないと不自然だし… (ぷよぷよやパネルでポンのパネルはちゃんと底にたまる。テトリスは知らぬ) ファミコン時代からビンは液体で満たされていた、だからドクターマリオワールドでもそのような演出だった、 という時代をさかのぼって謎が解けてスッキリです。

ただ、やっぱり水の中にウィルスがいるという設定だとしてもCMの謎さは謎のままです。お姉さんの無駄遣いじゃないか…!?

2021年12月14日


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