◆原作のAppleU版とコモドール64版について◆


ファミコン版の「ミシシッピー殺人事件」は原作は「Murder on the MISSISSIPPI」というパソコンゲーム。 「アクティビジョン」という会社から「AppleU」と「コモドール64」の二つが出ており、 ジャレコによりファミコンと「MSX2」というパソコンで遊べるゲームとして発売されました。

で、海外のサイト様やYoutubeなどのプレイ動画を見ていると、 ファミコン版との違いやファミコン版の没テキストの使いどころが分かってきました。 画像は動画や海外サイト様からキャプチャ・トリミングさせてもらって使わせていただいています。

YoutubeのAppleU版のプレイ動画の一つがこちら。


歩くのがもしかしたらファミコン版より遅い・・・!?と思いきやダッシュボタンがあるようです。チャールズダッシュ!! 歩いているコマ数がファミコン版は3コマしかないが、AppleU版は非常に多い! ワトソンにヒゲがなく、大分恰幅がよくて大分のけぞっていて後ろにコケそうです。ファミコン版とかなり違います。


そしてこちらがコモドール64版。色数も多くてファミコン版にだいぶ近いです。 ワトソンにヒゲがあるが、もしかしてAppleU版のワトソンの口の位置にある横の線は、 口じゃなくてヒゲなのか!?ど、どうしても口に見えてしまう・・・。 だがオフィシャルイラストはAppleU版からMSX2版まで共通だから、ヒゲあるんだろうな・・・。

さてコモドール64版はキャラクターの歩き方がなかなか滑らかでいい感じです。 ファミコン版は手と足を動かすだけで顔の位置は変わりませんが、ちゃんと上下しています。 おみ足の長いチャールズ先生は優雅に歩き、ワトソンは先生より背が低いのでちゃかちゃか歩いてます。 歩いているときの先生の向こう側の手が見えないので、かっこよくポケットに手を入れていらっしゃるのかも。

さて見ているとファミコン版と色々違いがあるようですが、 音がない、色数が少ないということ以外はAppleU版もコモドール64版も同じようです。 その二つとファミコン版の違いを探してみましたが、まず違うと思ったのがワトソンの名前。 「Regis(リージス)」というらしいです。ワトソンじゃなかったのか・・・!

それともう一つ、うおお!?と驚く違いを発見。

ミシシッピー殺人事件のパッケージにチャールズ先生とワトソン、容疑者全員の絵が描かれています。 それがかなりかっこよく、あーこんな感じなんだなと思って昔から眺めていました。 CMでもその画像は使われていて、攻略本にも使われている公式イラストです。


それがこのイラスト。左から、ウイリアム、カーター、ディジーなのは恐らく間違いなし。 一番右はテーラー、その左はヘンリー、ネルソン、ヘレン。みんな刑事コロンボに出てきそうです。

だがお前は誰だ。ぼくわ もんばんだ。 ウェーン

な、なんだか怖そうな男性です。堅気じゃなさそうです。 絶対に裏世界に通じています。マフィアのボスか!? そういえば被害者のブラウンはカーターによると「サザン一家」の出身。

よく分からないけどなんか裏社会っぽい!だからこれはブラウンだ、とずっと思っていました。 そして今回その原作を見てビックリ。

ファミコンだと空室の12号室に誰かいます。誰だお前は! キノコ狩りの男かと思いきやそうではなく、なんともう一人容疑者がいるのです!

アタマはツルツル、グラサンをかけている男性。真っ黒で長い服を着ておられます。 な、何だこの人は・・・。

「I'm just one of God's humble shepherds, Aloysius Godwin.」 と発言なさっていますが、この人の発言を翻訳機にかけてみたところ・・・。

「私は神の謙虚な羊飼いの1、Aloysiusゴドウィンです。」となりました。Google翻訳機、訳しきれていません。 多分「私は神に仕える羊飼いの一人、アロイシャス・ゴドウィンです」という感じ。牧師さんのようです。

あ、この人だ。 原作では存在していた容疑者の一人だったのか!裏社会の人じゃなかったのか!!

し、しかも牧師さんだった・・・すみませんゴドウィンさん・・・。 サングラスをかけていらっしゃるのはなぜなんだろう?

ま、まさか目が見えない・・・とか?じゃあ絶対に犯人じゃないな・・・。 いい人だと思って見るといい人に見えてくる不思議です。もうマフィアには見えないですね。

「ワトソン、あれを見ろ!」
「誰か倒れていますよ」・・・というシーン。

「リージス、あれを見ろ!」
「あ、誰か寝てますね」
「うん、床で寝てるねえ。へーんなの」

ファミコンでは「倒れている」と判断しますが、なんと最初は「寝ている」と勘違いしています。 めっちゃ血が流れていますが・・・。

でも茶色の血だからよく見えないのかもしれません。じゃあAppleU版の画面はどうかな?

「リージス、あれを見ろ!」
「はい、やっぱ誰か寝てますね」
「だねえ」

めっちゃ血が二人の方に流れ出ているのに。
C64とAppleUではブラウンさんの服装が違います。 AppleUだとヒゲが見えない・・・若い人に見えます。

名前に職業名をつけるようで、 先ほどのゴドウィンは「ゴドウィン牧師」となり、 画像のカーターは「Judge Carter」つまり「カーター判事」。

で、初対面でいきなり「さがす」をすると怒られます。 カーターに限らず全員同じセリフ。 没テキストに「ディジーさん あなたの  おへやの まわりを しらべ させて ください」

・・・というのがありましたが、原作では全員に使われていたようです。

「わたしの へやの まわりを しらべる りゆうなど あなたには ない はずだわ」
というリアクションも女性形しかありませんでしたが、使うか決める前にとりあえず訳したんだろうか?

階段では確認メッセージがあります。

「したの かいに おりますか?」、「うえの かいに あがりますか?」 の没テキストは確認が入るシステムだったなら使われていたデータだったようです。 階段を使わない場合は「Not now.」。

没テキストに「いまでは ありません」、「そうです」というのがありましたが、多分コレです。 階段を使うと「Yes, we are.」というセリフだが「そうです」だと先生っぽくない口調です。 海外のゲームの移植の手順にセオリーがあるのか知らないが、 誰のセリフか分からないけどとりあえず直訳したって感じだろうか・・・。

AppleUでは階の移動は一瞬ですが、 C64ではなんと次の階が表示されて階段を上ります。 上りきってから下の階が消えてメッセージウィンドウになり動けるようになります。

ファミコンのように階段の途中でなぜか1回止まるということもないようです。 黒い柱は下の階から繋がっていたのか・・・。

ネルソンがいる船長室、デカい!いや、これが普通なんだろうが・・・。 入るたびに船長室だけはノックするようです。

没テキストの「そうだしつの ドアを ノック します」 「ありがとう ワトソン」はここで使われていました。

ファミコン版で削られたやり取りだが・・・うーん、ゲームをスムーズに進めるための変更?
それなら移動速度を上げた方が・・・。

人に会ったときの先生のセリフは没テキストの 「こんにちは あなたと おあいできて うれしいです  わたしは チャールズと いい そして かれが じょしゅの ワトソンです」のようです。

そしてネルソン船長のセリフが・・・「I'm Willard Overbight」です。 ネルソンのネの字もない。あれ?!

原作のネルソンは「ウィラード・オーバーバイト」という名前らしい。ネルソンってのはどこから来たのか・・・。

海外版ではみんなフルネームだし、ファミコン版で名前が変更された人もかなりいます。 ディジーは「Daisy Du Pree」、「ディジー・デュプリー」という模様。 ウイリアムは「Lionel Humphreys」なので「リオネル・ハンフリーズ」。かっちょいい。

ヘレンは「Mrs.Des Plaines」。 「ミセス・デプレーンズ」というらしい・・・というか、ファミコンとグラフィックが違いすぎる。

ファミコンだと若々しい髪の色だったんだが、真っ白でカールしていらっしゃる? この頃の貴婦人はこんな感じだったんだろうか・・・。

エンジンルームがあるBGMが消える階ですが、 船の後ろ側は柵がない。あっぶねえ!

落ちることはないようですが、安全面が・・・。 ニューオリンズについたらお客さんが減ってた などということが起こるぞ・・・すでに一人減ってるのに・・・。

長くなってしまったので次のページに続きます。

2016年4月15日


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